4時間走って30分休憩 長距離ドライバーの「430規制」は緩和すべきか? ネットでは「860がいい」の声も 物流危機で考える

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トラックドライバーの長時間拘束や休日の少なさなどは広く知られるようになった。一方で、多くのドライバーが不満を抱える、世間的にあまり知られていないのが「430」の問題だ。

規制柔軟化は是か非か

サービスエリアのトラック(画像:写真AC)
サービスエリアのトラック(画像:写真AC)

 このような現状を踏まえ、ドライバーからは「430をもっと柔軟化してほしい」との声があがっている。ネット上では、

「8時間ごとに60分の休みを取る、860でよい」

というような意見も見かける。

 ドライバーからのこのような意見は、以上の背景を踏まえると十分に理解できる。休み時間の取得は個人の裁量に任せるほうが、確かに望ましい面はある。

 ただし、筆者(久保田精一、物流コンサルタント)個人の意見としては、このような規制緩和には賛成できない。430の規制を緩和したときに、どのような事態が起きるかは、残念なことだが、容易に想像がつくからである。

 前述のように、納品先での待機が常態化しているようなケースを想像して見ればよいが、そのようなケースで430の規制がなくなるとすると、会社側は

「休みなしに目的地に向かうような配車計画」

を組むだろう。待機を休み時間に充てるのが法令上は微妙だが、会社側としては遅延のリスクがなくなるほうが望ましい。

 また、荷主や元請けの意向に逆らえない中小運送会社などの場合では、荷主の都合にあわせて、今日は午前に休憩、明日は夕方に休憩というように、休み時間を都合よく変えられてしまう可能性もある。

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