職業ドライバー大ピンチ? 今後「睡眠不足」だけで違反対象になったら、この業界で食べていけるのか

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睡眠不足がパフォーマンスに影響を与えることは体感としてわかるが、運転に関してはどれくらい危険なのだろうか。

睡眠不足が招く交通事故

トラックドライバーのイメージ(画像:写真AC)
トラックドライバーのイメージ(画像:写真AC)

 日本ではこれから夏休みの時期を迎える。

 早朝から車で遠出、夜遅くまで遊ぶ、もしくは残業をした翌朝の運転など、寝不足のまま運転する機会が発生しやすい時期になる。渋滞の道路や単調な高速道路の運転で睡魔に襲われることもあるだろう。

 睡眠不足がパフォーマンスに影響を与えることは体感としてわかるが、運転に関してはどれくらい危険なのだろうか。

 アメリカの交通安全財団の研究によれば、過去24時間に7時間以上の睡眠を取った人を基準とすると、車を衝突させる可能性は

・6時間以上7時間未満の睡眠:1.3倍
・5時間以上6時間未満の睡眠:1.9倍
・4時間以上5時間未満の睡眠:4.3倍
・4時間未満の睡眠:11.5倍

にもなるという(2016年12月付、AAA Foundation for Traffic Safetyリポート『Acute Sleep Deprivation and Risk of Motor Vehicle Crash Involvement(急性の睡眠不足と自動車事故のリスク)』)。

日本の居眠り運転

2022年の交通事故の状況(画像:警察庁)
2022年の交通事故の状況(画像:警察庁)

 さて、警察庁は2022年の居眠り運転による事故が

「286件」

と発表している。飲酒運転以外を除いた交通事故が2万4061件なので、そのなかで居眠り運転による事故は1.2%となる(2023年3月2日付、『令和4年における交通事故の発生状況について』)。

 しかし、事故で死亡した場合に居眠り運転をしていたか確証がないことが多いし、生き残っても負傷者が居眠りしたことを警察にいわない場合もある。実態は明らかではないが、

・眠気
・ヒヤリ(事故寸前)
・警察発表の居眠り事故

は日本と欧米で同じ傾向(同レベル)であることから、

「欧州と同程度との推測より2割程度と推測」

という見立てもある(高速道路調査会『高速道路での居眠り運転防止に向けた効果的な対策に関する調査研究(最終報告)』)。

 そんななか、居眠り運転による事故数が明らかになる可能性が出てきた。

 血液検査でアルコールの血中濃度が測定できるように、睡眠不足を血液検査で測る研究がオーストラリアで始まっている。2年以内にイギリスでも採用される可能性があるとして、ガーディアン紙が報じた(2023年5月8日付)。

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