職業ドライバー大ピンチ? 今後「睡眠不足」だけで違反対象になったら、この業界で食べていけるのか

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睡眠不足がパフォーマンスに影響を与えることは体感としてわかるが、運転に関してはどれくらい危険なのだろうか。

オーストラリアの研究

モナッシュ大学のキャンパス(画像:モナッシュ大学)
モナッシュ大学のキャンパス(画像:モナッシュ大学)

 オーストラリアの交通安全局(運輸省に該当)から資金提供を受けて研究をしているのが、メルボルンにあるモナッシュ大学のクレア・アンダーソン教授のチームである。

 このチームは、人が24時間以上起きているかどうかを99%以上の精度で検出できる、血液中の五つのバイオマーカーを特定した。これは実験室における数値だが、臨床に近い環境でも90%近い精度である。今後、何時間眠ったのかわかるようになるよう研究を進めている。

 バイオマーカーは、脂質や腸内で生成されるものなど体のさまざまな部分に由来するもので、人が起きている時間と強く関係している。事故発生時に値が変わるアドレナリンや不安感といったものに関与しないものであることがポイントとなる。

 警察が路上で使えるような検査キットの開発については、資金次第ではあるが、5年以内にできるようになると考えられている。

 なお、スイスのチューリッヒ大学のチームでは、唾液、呼気、汗から眠気のバイオマーカーが検出できるかどうかを調べているところであり、この分野の研究に高いニーズがあることがうかがわれる。

イギリスの実態

「この種の事故は高速で衝突する傾向があるため、死亡または重傷に至る可能性が約50%高くなる。居眠りをしたドライバーは衝撃を避けたり軽減したりするためにブレーキを踏んだりハンドルを切ったりすることができないためである」ROSPA『Road Safety Factsheet』より(画像:ROSPA)
「この種の事故は高速で衝突する傾向があるため、死亡または重傷に至る可能性が約50%高くなる。居眠りをしたドライバーは衝撃を避けたり軽減したりするためにブレーキを踏んだりハンドルを切ったりすることができないためである」ROSPA『Road Safety Factsheet』より(画像:ROSPA)

 イギリスでは、高速道路での事故の

「5分の1」

は、ドライバーの居眠り運転が原因である可能性があるとされている。

 居眠り運転をしているドライバーは、ブレーキをかけて減速をしたり、ハンドルを動かしたりすることができないため、死亡または重傷を負う可能性が約50%以上となる(2020年7月付、ROSPA『Road Safety Factsheet』)。

 大型トラックの運転手を中心とした職業運転手による居眠り運転事故も目立つのだが、3分の2は一般ドライバーによるものだ。

 例えば、宿直のある医療関係者の疲労度は高い。麻酔科の研修医2170人のうち84%が宿直後は疲れすぎて車が運転できないと話し、57%が事故に遭う、もしくは一歩手前だったというデータもある。

 このように、居眠り運転は、職業運転手にも一般ドライバーにも起こりうることである。

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