タクシー・バスによる貨物運送「全国解禁」 車両のトラック化は物流業界に吉か凶か

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貨客混載制度の「実施区域の見直し」が、6月30日から施行される。貨客混載制度とは「貸し切りバス事業者」「タクシー事業者」がトラック事業の許可を得ることで、バス・タクシー事業に使う車両で貨物を運べるようになるというものだ。

かつては逮捕者が出るケースも

手錠(画像:写真AC)
手錠(画像:写真AC)

 その昔、貨物輸送と旅客輸送は完全に分離されており、旅客事業者が貨物を輸送する、あるいは貨物事業者が旅客を運ぶなどもってのほかだった。

 過去には、貨物輸送業の許可なく輸送していたタクシー会社の社長と社員が、貨物自動車運送事業法違反の疑いで逮捕されたぐらいだ。これとは逆に、貨物事業者が白タクを営業するともちろん摘発の対象となる。

 さすがに逮捕者が出るのはまれなケースだったが、とにかく貨物輸送と旅客輸送の間にある

「規制の壁」

は高かったのである。

 とはいえ、貨物輸送と旅客輸送の完全分離は、まだ地方にも事業の担い手やドライバーがいて、かつ事業として成り立っていたからこそ制度として機能していたにすぎない。しかし時代の変化とともに、特に過疎地域では

「いったい誰が貨物や旅客を運ぶのか」

という切実な課題が生じたのだ。

 そこで、人流・物流サービスの持続可能性を確保すべく、従来の貨物輸送と旅客輸送の間にある高い壁を取り払い、2017年から事業のかけもちが可能になった。

 2017年に施行されたルールでは、

・乗り合いバス:全国
・貸し切りバス/タクシー/トラック:過疎地域

で事業のかけもちが認められている。

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