タクシードライバーが「長距離客 = ラッキー!」とは必ずしも思わない理由

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タクシーは早朝から夜間帯まで利用できる便利な存在だ。多くの利用者は短~中距離を乗るが、自治体を越えて移動する際などの長距離利用について、今回は考えてみたい。

タクシー送迎の距離に上限アリ

タクシー(画像:写真AC)
タクシー(画像:写真AC)

 タクシーは早朝から夜間帯まで利用できる便利な存在だ。多くの利用者は短~中距離を乗るが、自治体を越えて移動する際などの長距離利用について、今回は考えてみたい。

 あまり知られていないが、タクシー運転手は法令によって1日あたりの最高乗務距離が決められている。国土交通省が制定した「旅客自動車運送事業運輸規則」の第22条には「乗務距離の最高限度等」という項目があり、

「地方運輸局長が定める乗務距離の最高限度を超えて当該営業所に属する運転者を事業用自動車に乗務させてはならない」

と記載されている。

 最高乗務距離については、管轄する地方運輸局によって違いがある。この記事を書いている2023年3月12日時点で、国土交通省の公開する資料によると、東京や横浜、京都などでは最高乗務距離は

「365km」

大阪や神戸では「350km」とやや差が見受けられる。

 なぜ地域によって差があるのか。それは、最高乗務距離は

・乗務員の最大走行可能時間(拘束時間と道路交通法を順守した場合に最大走行できる時間)
・タクシーの平均速度

のふたつを基に算出しているためだ。

 隔日勤務・日勤勤務など、タクシー会社によって拘束時間は異なるため、長距離を移動する際には事前にタクシー会社に問い合わせておくのがベストだ。

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