自家用車で勝手に営業 「白タク」はそもそもなぜ違法なのか?
タクシー営業に必要な認可を受けず、自家用車で営業しているタクシーを「白タク」という。いわずもがな違法である。白タクの「白」は、ナンバープレートが白色であることに由来する。
道路運送法に基づくライドシェアも
こうした経緯もあり、現在でもウーバーは日本で解禁されていない。ただ、ライドシェアが全く行われていないわけではない。道路運送法に基づくライドシェアが存在するのだ。
ライドシェアは現在、公共交通減少の解決手段として期待されている。2016年からいち早く導入したのが京都府京丹後市だ。過疎化の続く同市では、バスだけでなくタクシー会社も相次いで撤退していた。そのため、NPO法人に委託する形で市営バスと乗り合いタクシー事業を導入していたが、より効果的で負担のない方法としてライドシェアが導入されたのだった。
同市が「ささえ合い交通」として実施しているのは、道路運送法に基づく
「公共交通空白地有償運送(2020年までは過疎地郵送運送)」
によるライドシェアだ。
これは、2006(平成18)年の道路運送法改正で導入された「地域公共交通会議」での承認を経て、国に登録して実施するものだ。一定要件を満たした市町村やNPOによる、自家用車の有償旅客運送を可能にする。
京丹後市はこの制度を利用し、登録を行った上でウーバーのシステムを使って、住民ドライバーが有償で客を運べるようになった。同システムは運行管理にかかるコストを抑えられる。
利用範囲は市内に限られており、実質、京丹後市限定で合法白タクが運行されている状態だ。同様の制度を使って、交通空白地帯をケアする動きは各地の自治体で始まっている。
2015年時点で、国土交通省がウーバーを認めなかったのは正しかった。責任の所在が曖昧で、なによりドライバーの雇用を不安定にし、
「低賃金労働を固定化」
するからだ。これから先、自家用車を使ったライドシェアをどこまで認めていくか、課題山積である。