上級会員の格差拡大? 「航空会社」がサービス面で差別化を図るワケ
高単価の顧客を優遇

航空需要の回復にともない、空港の各所で混雑が目立つ。
アメリカのデルタ航空は2022年から2023年にかけて、ラウンジ利用に時間制限を設けたのに加え、エコノミークラスの最安運賃での搭乗の場合、ラウンジ利用不可とした。自社の上級会員まで制限しないといけないほど、ラウンジの
「混雑が深刻化」
した結果といえる。
航空会社にとって、たとえ同じ資格を持っていても、エコノミークラスとビジネスクラスでは客単価が違う。乗るときは基本、ビジネスクラスを利用する客と、資格を一度得ただけであとはエコノミークラスと特典航空券しか利用しない客が同じラウンジで過ごす。
しかも混雑具合によっては、前者が気分を害するような事態ともなれば、航空会社としても対応を取らざるを得ない。さまざまな利用客が増えると、ラウンジ内でのマナーやモラルが乱れるといった問題も出てくる。
優先チェックインや優先手荷物受け取りでは、今のところ大きな混雑は見られず、ライト運賃などでも上級会員としての恩恵が受けられる。一方、事前座席指定が有料なのは、座る席によって
「足元が広い座席はラク」
「前方座席だと早く機内から出られる」
などのメリットがあり、お金を払ってでも座席指定を希望する搭乗客が多いと、航空会社が見込んだためだろう。追加料金で確実に稼げるといったビジネス戦略が垣間見られる。
昨今の一連の動きは、既存の上級会員らからは「ルール改悪」という声も上がっている。この手の利用条件は、以前より悪くなることはあっても、良くなることはほぼない。ただ、一度付与した資格をダウングレードしたり、達成条件を大幅に上げたりすると、航空会社のイメージ悪化につながってしまう。
「本来の優良顧客」
を競合他社に奪われることになりかねない。
今後、欧米などで定着しつつあるエコノミーライトやベーシックエコノミーといったLCC並みのサービスの運賃、手荷物の厳格化、ラウンジ利用での区別などが、日本をはじめ全世界に広がるのか注目したい。