上級会員の格差拡大? 「航空会社」がサービス面で差別化を図るワケ

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航空会社には、自社便などに多く搭乗する人を対象とした「上級会員」の制度が存在する。しかし、同じ上級会員でもサービス面で「差」を付ける航空会社が出てきている。いったいなぜか。

需要急増で上級会員数が過剰に

アメリカ・デルタ航空のA330-900(画像:シカマアキ)
アメリカ・デルタ航空のA330-900(画像:シカマアキ)

 航空会社には、自社便などに多く搭乗する人を対象とした「上級会員」の制度が存在する。その上級会員については、航空各社の公式サイトなどで紹介がされている。しかし、実際に上級会員となり、その制度を何度も利用してみないとわからないことも多い。

 先のコロナ禍で、航空業界をめぐる状況は一変した。世界各国で渡航制限によって移動が制限され、飛行機に乗る人たちが大きく減った。これにともない、航空各社は上級会員としての有効期限を延長したり、少ない搭乗回数で上級会員のステータス(資格)を維持できるという特例を作ったりした。

 一方、欧米諸国から入国規制が次々と緩和され、現在は航空需要も一気に回復。その結果、今度は上級会員の数が過剰気味となった。

 世界的な空港の人員不足問題も、いまだ深刻だ。上級会員としてのサービスが行き届かなければ、

「従来の優良顧客が離れる」

恐れも出てくる。そのような諸事情もあり、近ごろ、同じ上級会員でもサービス面で「差」を付ける航空会社が出てきている。

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