三菱スペースジェット失敗の日本こそ、中国初の国産機「C919」に最も学ぶべきワケ

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中国東方航空は、中国の国産旅客機C919を5月28日に上海~北京間の路線に投入した。三菱スペースジェットが失敗に終わった日本にとって、C919に学ぶべきことは多い。いったいなぜか。

ボーイング、エアバスを目指す中国

中国東方航空のC919初号機(画像:N509FZ)
中国東方航空のC919初号機(画像:N509FZ)

 航空宇宙産業に力を注ぐ中国は、ボーイング社とエアバス社が二分している国際旅客機市場において、第三極としての地位を目指すという。

 現時点では、C919は競合機の737MAXやA320と比較してなぜか航続距離も短く、機体価格を別にすれば、航空会社にとって競合機以上の魅力を感じにくい点もある。それ以上に、C919はアメリカ連邦航空局(FAA)や欧州航空安全局(EASA)の型式証明を得ていないので、事実上中国国内専用の旅客機にすぎない。

 しかし、中国民用航空局(CAAC)はEASAとの間に相互承認協定を結んでおり、2020年には相互承認の技術的実施手順(TIP)も発行されていることから、中国製航空機を輸出するための基盤固めは着々と進んでいる。

 この相互承認は、CAACが中国において承認した型式証明をEASAが受け入れ、中国で型式証明を取得した中国製航空機に対する審査を簡略化するという協定だ。つまり、EASAがCAACの審査能力をEASAと同等のものだと見なすことで成立する制度であり、中国の航空機製造会社AVICやCOMACの能力ではなく、中国政府機関である

「CAACの審査能力」

が評価されているのである。

 三菱スペースジェットが失敗に終わった日本にとって、C919に学ぶべきことは多い。航空機産業が国際的な成功を収めるには、技術開発や資金面で大企業を優遇支援するのではなく、政府機関が正しく役割を果たすことが不可欠なのである。

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