三菱スペースジェット失敗の日本こそ、中国初の国産機「C919」に最も学ぶべきワケ

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中国東方航空は、中国の国産旅客機C919を5月28日に上海~北京間の路線に投入した。三菱スペースジェットが失敗に終わった日本にとって、C919に学ぶべきことは多い。いったいなぜか。

欧米サプライヤーの参画と技術協力

中国東方航空のウェブサイト(画像:中国東方航空)
中国東方航空のウェブサイト(画像:中国東方航空)

 航空機の開発で重要な課題のひとつは、航空機メーカーが外注するエンジンや装備品の発注先である。いくら機体の設計や製造が可能であっても、エンジンや電子機器、油圧空調機器など、専門技術を持った多様な装備品製造企業の協力がなくては、飛行機は製造できない。

 C919が搭載するエンジンは、アメリカのGEとフランスのスネクマによる合弁企業CFMインターナショナルのLEAP-1Cエンジンだが、いずれは開発中の国産エンジンCJ-1000Aを搭載することも予定されている。CJ-1000Aは既に試作機の試験が進んでおり、今年に入ってからは、Y-20輸送機を改造した試験母機に搭載され、空中運転試験も始まっている模様である。

 搭載電子機器や系統装備品の供給元は、コリンズ・エアロスペース、GEアビエーション、ハネウェル・エアロスペースなどのアメリカ企業が多い。機体の安定性や操縦性を担う飛行制御システムもハネウェル社が担当しているが、制御プログラムは中国で開発したのだろう。

 こうしたことから、中国製といっても半分は欧米製ではないかという声も聞かれるが、装備品を欧米に依存せざるを得ない事情は日本でも同様で、C919に限った話ではない。むしろ注目すべきは、これらの企業のほとんどが、中国企業と合弁事業などのパートナーシップを結んでいることだ。

 欧米との合弁事業によって、中国は欧米企業の優れた技術を導入できるだけでなく、自国の経済にも大きなメリットをもたらすことができるし、欧米サプライヤーは中国の大きな市場に進出できる。欧米サプライヤーは、ボーイングやエアバスにすべてを賭けるのではなく、中国の航空機産業にも商機を見いだしているのである。

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