中国の自動車輸出「世界1位」という圧倒的現実 日本市場にEVなだれ込みも、いまだ拭えぬ「再販リスク」とは
2023年1~3月期、中国の自動車輸出台数は約107万台となった。前年同月比で+58%という驚異的な伸びを記録し世界一となった。この勢いは続くのか。
中国車の輸出「6割」は内燃車

ところで、EV以外の内燃機関モデルにおける中国車の状況はどうだろうか。
既述したとおり、輸出台数の
「6割」
は依然として内燃機関モデルである。何かとEVばかりかクローズアップされがちな中国車ではあるものの、内燃機関の存在感が薄れたわけではない。
このカテゴリーで躍進するきっかけとなったのは、いうまでもなくウクライナ紛争の影響で、欧米の主要自動車メーカーがロシアでの生産やロシア向けの輸出を取りやめたことだ。
結果的にロシア国内需要、そしてロシア生産分を中国製品が補完する形になったことで、欧米や日本のメーカーは損失を被ったということである。
こうした状況が将来的にどうなるかは紛争が終結してみないことには判断できない。紛争が短期で終結するか長期化するかでもその行方は変わってくるだろう。これらもその去就が気になる案件である。