EV「バッテリー」を取り巻く不都合な真実! 軽微な損傷で“全損扱い” 中古車悩ます過放電問題も
EVのバッテリーは保証期間を過ぎるとどうなるのか。また、保証期間を過ぎた中古車が、どのように取り扱われ、いくらで取引されるのか、いまだわからないことも多い。
EVのバッテリー保証期間

電気自動車(EV)のバッテリーには、一般的にバッテリーメーカー保証が付いている。ドイツ自動車連盟のバッテリーメーカー保証を比較したデータによると、多くの自動車メーカーが「8年、16万km、容量70%」を採用している。
それでは、メーカー保証期間を過ぎるとどうなるのだろうか。
例えば、日産自動車は2018年3月にバッテリーの有償交換プログラムを発表し、以下のような交換価格を公表している(価格改定により現在は金額が異なる)。
・24kWh:65万円(再生バッテリー30万円)
・30kWh:80万円
・40kWh:82万円
メーカーのバッテリー保証期間を過ぎた場合の選択肢としては、
・新車に乗り換える
・バッテリーを有償で交換する
・保証期間が切れていることを前提で乗り続ける
のいずれかになる。うがった見方をすると、EVは
「8年か16万kmごとに新車に乗り換える」
ことを前提とすることで、商売として成り立っているともとれなくもない。
また、バッテリー保証期間を過ぎた中古車が、どのように取り扱われ、いくらで取引されるのかなどいまだわからないことも多い。
バッテリーの8年後、10年後、さらには15年後の状態や、走行距離別の劣化度合い、あるいは中古車の扱いなど、EVの壮大な社会実験が、世界を巻き込んで現在進行形で行われている最中である。メーカー保証期間を過ぎたEVの走行性能や安全性について、新たな知見待ちといったところだろう。