中国の自動車輸出「世界1位」という圧倒的現実 日本市場にEVなだれ込みも、いまだ拭えぬ「再販リスク」とは

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2023年1~3月期、中国の自動車輸出台数は約107万台となった。前年同月比で+58%という驚異的な伸びを記録し世界一となった。この勢いは続くのか。

輸出台数は約107万台

上海モーターショーにおいて、上海汽車は、130台以上の新車(その約半数は新エネルギー車)を出展した(画像:上海汽車集団)
上海モーターショーにおいて、上海汽車は、130台以上の新車(その約半数は新エネルギー車)を出展した(画像:上海汽車集団)

 2023年1~3月期、中国の自動車輸出台数は約107万台となった。前年同月比で+58%という驚異的な伸びを記録し世界一となった。同時期の日本は約95万台で、前年同月比で+6%の伸びだったものの、わずかの差で中国の追い上げの前に屈した。

 とはいえ、中国は国内での新車販売台数において2009(平成21)年に世界一となっており、輸出においても世界一となるのはほとんどの関係者の間では時間の問題と認識されていた。

 中国が国内販売だけに止まらず、輸出においても躍進した背景にあるのは電気自動車(EV)需要の伸びである。これは数字にも端的に表れており、対前年同月比で+93%の約38万台だった。ブランド別に見ると最上位はテスラの約9万台、上海汽車集団(SAIC)の約5万台、比亜迪(BYD)が約3万台と続いた。

 これらのなかで注目すべきは、日本でも販売されているテスラとBYDだろう。テスラは米国の企業ながら早い時期にアジア地区の生産拠点を中国上海と定め、2019年から上海工場が本格稼働を開始、現在に至っている。どのような商品でも生産地と消費地はできるだけ近くというのはセオリーである。

 テスラはトップの決定として、米国本国と一部ヨーロッパ以外への車両供給拠点を中国としたわけだが、その背景には共産党中央指導部との直接折衝があったといわれている。まさに社運を賭けた決断だったということだ。

 一方、BYDは自動車メーカーとしては新参ながら、電機メーカーというその母体を生かし中国政府のEV推進政策をバックに躍進してきた。ある意味、自動車メーカーが前身という縛りがなかったことが幸いし、EVに特化したことがよい方向に作用したまれな例といってよいだろう。

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