中国の自動車輸出「世界1位」という圧倒的現実 日本市場にEVなだれ込みも、いまだ拭えぬ「再販リスク」とは

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2023年1~3月期、中国の自動車輸出台数は約107万台となった。前年同月比で+58%という驚異的な伸びを記録し世界一となった。この勢いは続くのか。

いまだ残る再販価値というリスク

隙間なく並んだ自動車(画像:写真AC)
隙間なく並んだ自動車(画像:写真AC)

 とはいえ、市場での評価が確定するためには、日本国内でのEV普及率がもっと向上しないことには始まらない。

 日本国内市場においては、国産のEVも相応の歴史を重ねるとともに一定の評価を確保しており、ここで中国製が安定したシェアを確保するためにはさらなる価格の引き下げに加えて、サービス体制の強化も必須となる。

 正直、リセールバリュー(再販価値)込みでの評価となると輸入車は未知数が大きい。こうした諸条件をクリアして初めてブランドの価値が確保される。状況は好転しつつあるとはいえ、その道は厳しい。

 国産メーカーも、中国メーカーの進出に対して指をくわえて見ていない。さらなる魅力的かつコストパフォーマンスに優れたモデルの投入は必須だろう。

 その際、コストの引き下げにはバッテリーの安価かつ安定した供給も求められる。ここでは原材料を確保した上での新規製造はもちろんだが、日本ならではのリサイクルおよびリユース技術が効果的に作用するのではないかという見方もある。

 個人的には大量に生産され消費された中国製バッテリーを

「日本でリサイクル/リユースビジネスへと回す」

ことができれば、原材料確保およびコストの面でも将来性が期待できるのではないかと考える。

 いずれにしても勝負はここ10年以内。早ければ5年以内にその成り行きがはっきりするだろう。

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