中国の自動車輸出「世界1位」という圧倒的現実 日本市場にEVなだれ込みも、いまだ拭えぬ「再販リスク」とは
2023年1~3月期、中国の自動車輸出台数は約107万台となった。前年同月比で+58%という驚異的な伸びを記録し世界一となった。この勢いは続くのか。
日本進出に成功したBYD

BYDについては、早い時期からその高性能ぶりが紹介されていたこともあり、日本国内でのイメージは悪くない。
2023年1月末から日本で販売が開始されたATTO3は税込み440万円という価格とともに相応の存在感を示した。4月までの販売台数は305台と公式に発表されており、新規の中国ブランドの滑り出しとしては健闘した方である。
今後は新型車の追加投入に加えディーラー網の拡充も進めるということで、将来性は決して低くないだろう。ある意味、中国製という以前からのマイナスイメージを完全に払拭(ふっしょく)するきっかけになる可能性も秘めている。
日本は自動車生産および輸出国としてこれまで中国に先行してきた。しかし、これからは中国にとって重要な自動車市場であるという一面も垣間見える様になった。ただしこれまでの状況を振り返ると、中国製品が何とか確保できていた市場はいわゆる安価かつチープなマイクロEVのみである。
そうした状況に対して、テスラという人気ブランドの高級EVの輸入が本格化して来たこと。さらにBYDという高性能かつ極めて優れた価格競争力を持つEVが登場したことで市場は少しずつ変わり始めている様にも思える。