「パイロットが意識を失っても大丈夫」 FAA認証間近の航空機“完全自動化”システムを知っているか
人的不安が起こす事故
日本において、観光バスや路線バスで運転手が急病で人事不省(意識を失うこと)に陥り、それが原因で重大事故に発展した例は過去に複数記憶されている。
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そしてそれを理由に、
・運転手の状況をリアルタイムで監視するモニター
・乗客が操作できる緊急停止装置
の装備も進んでいる。これは危険な事故を未然に防止する上で有効な措置と言ってよいだろう。
一方、航空機の世界でも、過去に決して少なくない同様の事故が世界中で報告されている。それらのなかには、乗客が航空管制官などの指示とともに操縦を肩代わりし、無事着陸までこぎつけた例もある。一方、最終的には墜落し多くの人命が失われた例もある。
こうした事故の危険性は、特にパイロットがひとりしか搭乗していない
・自家用機
・チャーター機
・小規模な商用機(遊覧飛行や小口貨物輸送など)
が直面している問題でもある。
まさしく日常の航空ビジネスにとって、常に背中合わせにある危険と言っても過言ではない。航空機ビジネスの世界は、運航状況のリアルタイムでの監視とその管制という意味では高度に洗練されている世界ではある。
しかし、それでも人的不安を要因とする事故は起こっている。パイロットの体調不良などはまさにその代表である。
FAA認証間近の技術
しかしここに来て、ある画期的な技術がほぼ完成し、連邦航空局(FAA)認証に向けて最終段階にある。
それはパイロットが何らかの理由で操縦不能に陥った場合、その機体を自動で最寄りの着陸可能な空港まで飛行させ自動で着陸、エンジン停止までを完全コントロールするという装置である。
この装置を開発したのはガーミンとテキストロン・アビエーションである。前者はアウトドア用衛星利用測位システム(GPS)ナビゲーションシステムを通じて日本でもおなじみで、米国では航空機用総合ナビゲーションシステム開発の大手でもある。
一方、後者は総合的な航空技術開発および航空機製造の大手である。かつて軽飛行機の代名詞とされていた「セスナ」、その最大のライバルだった「ビーチクラフト」、さらにはイギリスの名門だった「ホーカー」。これらはいずれも今やテキストロンが所有するブランドである。