中国が牛耳る「コンテナ製造」 シェア“ほぼ100%”も、リスク回避で新勢力が覇権揺るがす
新造コンテナの生産条件

新造コンテナの生産拠点となるための条件は人件費が低いことに加え、
・その国に一定規模以上の製鉄業が立地している
・貨物の輸出拠点に近い
ことが挙げられる。
ひとつ目の条件は製造コストが抑えられること、二つ目の条件は材料となる鉄鋼製品の迅速な調達が重視されることを意味している。三つ目の条件は製造したコンテナを、輸出荷主に空コンテナとして提供できることを意味している。荷主にとっても、移動のコストをかけずにきれいな新品のコンテナを調達できるメリットがある。
1970年代の日本はまだ人件費も高くなく、鉄鋼業が盛んであり,さらにはアジア地域内で工業製品の輸出国として圧倒的なシェアを占めていた点で生産地として絶好の国だった。
この局面が変わったのは1985(昭和60)年9月のプラザ合意以降、円高が進んだ時期だった。円高が進み、外貨建ての人件費も上昇してコストが高くなった。これを受けて韓国の製造シェアが増加し、一時期は世界のコンテナの70%以上を韓国企業が生産するようになった。しかしながら、1990年代以降にウォン高が起こって韓国での競争力も低下したため、だんだん中国への生産シフトが進んだ。
中国以外の生産地の検討

中国におけるコンテナ製造業は経済成長に合わせて急速に拡大し、2002(平成14)年には中国メーカーがコンテナ市場の90%のシェアを獲得して現在に至っている。いまでも中国は世界でも有数の製造業の拠点を有する、世界一のコンテナ貨物輸出国であるためだ。コンテナ製造会社は製造したコンテナをすぐに納入でき、生産拠点としての条件にかなった地域である。
ただし、2020年初頭に中国で新型コロナウイルスの感染が拡大して、コンテナ生産工場の稼働が停止し、生産が停滞したことが2020年後半以降に起こったコンテナ不足からの回復を遅くした。このことは、中国にのみ生産拠点を置くことのリスクを認識させるきっかけとなった。
そのため、現在ではベトナムやインド、韓国でコンテナ生産を行うことも検討されている。
・中国が経済成長を進めて沿海部での人件費が上昇している
・ベトナムなど東南アジアに製造業の拠点がシフトしつつある
ことに加え、製鉄業が拡大していることを踏まえると、今後、新造コンテナの生産拠点も中国からシフトしていく可能性は高い。