自動車業界で「週休3日制」は実現可能なのか

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働き方改革が進められる現在の日本。日本の基幹産業である自動車産業で週休3日制は可能なのか。

長時間の反復が能力を生む

年間休日数(画像:労働政策研究・研修機構)
年間休日数(画像:労働政策研究・研修機構)

 熟達化の研究を見ても、何らかの技能を身につけるには、「長期間にわたる反復」によって

「処理の自動化」

が起こることが必要で、一定の時間をかけなければ能力はなかなか身につかない。自動車業界のような技能の蓄積によって競争力を生んでいる業界にとって問題はないのだろうか。

 ちなみに日本の平均年間総日労働時間は、1988(昭和63)年の2092時間から、2020年には

「1589時間」

に減少している(24%減)。年間休日数についても、2020年の日本は137.9日であり、フランスやイタリアの138日とほぼ同水準である。

 このように国際的に見ても、日本は既に「働きすぎ」な国ではない。これ以上、他国より休みを増やして、競争力の減退につながらないかどうかの方が心配になる。

週休3日制の背後にある構造

時代の流れによる雇用形態の変化のイメージ(画像:写真AC)
時代の流れによる雇用形態の変化のイメージ(画像:写真AC)

 週休3日に限らないが、企業における採用や育成、働き方、評価等々の人事諸施策はすべてつながっている。

 欧米企業やITベンチャー企業などで週休3日制がうまくいっているように見える裏には、それを支えるいわゆるジョブ型雇用や

「エリート・ノンエリートの分断的キャリア構造」

などがある。そういう背景を持たない自動車業界が、単に人事施策の一部にすぎない週休3日制だけを取り入れてもうまくいくことはないだろう。

 働く人にとって、週休3日制はただよさそうに見えるが、もし、どうしても激化する採用のために自動車業界でも週休3日制が必要なら、すべての人事諸施策を方向合わせして、一貫性を持たせなければならない。ただ、それだけの覚悟や準備はできているだろうか。安易な週休3日制の導入は避けなければならない。

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