自動車業界で「週休3日制」は実現可能なのか

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働き方改革が進められる現在の日本。日本の基幹産業である自動車産業で週休3日制は可能なのか。

いずれの選択肢にもデメリット

週休3日制に関するアンケート(画像:NEXER)
週休3日制に関するアンケート(画像:NEXER)

 まず「休みが増えて報酬も減る」タイプだが、日本においては「失われた30年」の間に平均年収が約470万円から約430万円と数十万円も減っている(ただし、非正規雇用が増えているという要因がある)。

 この年収低下は少子化の一因ともいわれており、休みが増えるのはよいこととしても、これ以上年収が減っていくなら、それは本当に社会的に適切なことだろうか。

 また、もう一方の「休みは増えるが1日の労働時間は増える」タイプだが、さまざまな研究において

「Less is more(労働時間が減ると生産性が高まる)」

という結果が出ている。1日の労働時間を増やすと、働く人の疲労などによって生産性が減ってしまい、企業業績も低下する可能性があるのだ。

労働時間現状で報酬維持可能か

週休3日制に関するアンケート(画像:NEXER)
週休3日制に関するアンケート(画像:NEXER)

 つまり、同じ週3日制を導入するなら、三つめの「休みが増えても1日の労働時間は変わらず、しかも報酬を維持する」でいくのがやはり妥当なのではないか。

 ただ、これは私(曽和利光、人事コンサルタント)も経営者の端くれとしてわかるが、なかなか簡単には意思決定しにくい。

 休みを減らすのは簡単だが、これによって本当に生産性が上がってくれればよいものの、もし万が一そういう効果が起きなかった場合、単に労働コストは変わらず業績が下がることになる。

 しかも、一度入れた制度は労働者にとって改悪になるような場合はなかなか元に戻せない。これは、100年に一度の激変に巻き込まれている自動車業界にとっては、なかなか選べない大きな賭けといえる。

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