自宅で休憩もアリなの? タクシードライバーの知られざる「休憩事情」について現役に聞いてみた
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休憩場所はどのように決めているのか

東京のドライバーの休憩場所では、港区の青山霊園と青山公園の間に並ぶタクシーの行列が有名である。約140mにわたって「タクシーのみ駐車違反に問われない」という交通規制がされている珍しいスポット(通称「青山公園調整待機所」)で、都内のドライバーたちが集まる休憩所となっている。
そのほかのタクシーは一体どこで休憩しているのか。また、各ドライバーのお気に入りスポットなどはあるのか。Aさんは
「私が営業している横浜市の地域では、公衆トイレがある公園のそばで休憩する運転手さんもいますが、大体は営業所に止めて車のなかで休む運転手さんが多いです。私の場合は、数年前まで会社の車庫に営業車をとどめて車内で休憩していましたが、腰が痛くなったので今は自宅に帰って休むようにしています」
と話す。
休憩時間と同様、休憩場所についても自分で選ぶそうだが、営業所だけでなく「自宅で休憩する」というパターンもあるから驚きだ。何より自分がしっかり体を休ませられるスポットを見つけることが大切なのだ。
では、コンビニや飲食店などのトイレがある場所の駐車場を活用して休憩するケースもあるのだろうか。
「人によりますが、昼ご飯やトイレ休憩などの短時間休憩を取る人はコンビニや飲食店、トイレのある公園や営業所で待っている人もいます」(Aさん)
トイレと食事を一度に済ませられるコンビニや飲食店は非常に使い勝手が良さそうだ。しかしAさんのいうとおり、コンビニや飲食店の駐車場は、買い物などで利用したとしても短時間にとどめなければならない
なぜなら、長時間の駐車をした場合、
「迷惑行為」
として店側から罰金を取られるケースも少なくないためだ。
このように、タクシードライバーはさまざまな場所で休憩を取っている。海の近くに住んでいる筆者は以前、海辺の駐車場にポツンと止まっているタクシーを見かけたことがある。なぜこんなところにと不思議に思っていたが、このドライバーにとって周りを気にせず休めるお気に入りの場所であったのだろうと今回の取材で納得した。