労働災害を撲滅! コマツの建機「遠隔操作システム」が革新的なワケ
労働災害事故に至る危険性は昔と比べて大幅に減っている。しかし、作業内容によっては依然として危険度が高い現場があるのも事実だ。それを解決するのが「遠隔操作システム」だ。
子会社と開発
建設機械の運用では、作業現場での安全性をしっかり確保することが重要とされている。昨今、建機本体の基本的な操作システムはよりシンプルにわかりやすくすることが心がけられている。また、オペレーターを守る強固なキャビン(運転台)など安全性の向上も顕著である。
すなわち、労働災害事故に至る危険性は昔と比べて大幅に減っている。しかし、作業内容によっては依然として危険度が高い現場があるのも事実だ。こうした現実を踏まえ、コマツ(東京都港区)とその関連子会社であるアースブレーン(同)が開発したのが、建設機械の
「遠隔操作システム」
である。
雲仙普賢岳噴火で活躍
危険な作業現場における、コマツの遠隔操縦システムは長い歴史を持つ。そのなかでよく知られているのは、雲仙普賢岳噴火災害復旧工事だろう。
1990年代に実施された復旧工事は、数々のラジコン操縦の建機類が大きな役割を果たした。
さらにそれ以前に目を向ければ、同じく河川災害復旧工事のために誕生、今も現役機としてさまざまな水中工事に活躍しているラジコン操縦の水陸両用ブルドーザーもあるコマツのラジコン遠隔操縦機は、実に半世紀にわたる実績がある。
ただし、これらは基本的にオペレーターが離れた場所から目視で建機類の動きを確認、その操作を行うというものであり、目視が効かない現場での使用はできなかった。
しかし近年になってある技術が状況を変えることとなる。それはいわゆる5Gの通信システムである。