ブルドーザーが空を飛ぶ! 太平洋戦争で日本を圧倒したアメリカの「工兵機材」をご存じか

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太平洋戦争で明確になったのは、日本の工兵機材がアメリカに対して大きく劣っていたという事実だった。その機材を紹介する。

ブルドーザーとしては極めて小型

クラークCA1ブルドーザー(画像:守山進)
クラークCA1ブルドーザー(画像:守山進)

 およそ80年前にわが国が戦った太平洋戦争は、国際関係の悪化から重要工業資源を断たれた日本が、それらを南方方面に求めた戦いでもあった。そこでは果てしなき島嶼(とうしょ)争奪戦が行われたわけだが、その過程で明確になったことは、日本の工兵施設機材(建設機械)が、戦線で対峙(たいじ)していたアメリカに対して大きく劣っていたという、紛れもない事実だった。

 進出した島嶼における基地建設において最優先事項とされたのは、港湾と飛行場の整備だったが、そこで使用される機械力について、わが日本の状況は甚だ脆弱(ぜいじゃく)だった。そこには、わずかなロードローラーや小型のトラクターなどがあっただけで、工程の大半は人力頼りだったのである。一方、アメリカの工兵機材はというと、大型のブルドーザー、スクレーパー、パワーショベル、トレンチャー、その機械力はまさに圧倒的であり、基地の設営は言うまでもなく、攻撃による損傷からの復旧も極めて迅速だった。

 そうした工兵機材群の中で、ある意味最もアメリカ的かつ当時最新のコンセプトに基づいていたのが、今回紹介するクラークCA1ブルドーザーだった。太平洋戦争開戦後に開発がスタートし、末期の1944年に実戦配備されたこの機材は、見ての通り外観はブルドーザーとしては極めて小型だった。

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