国内にわずか5台! コマツの「水陸両用ブルドーザー」は、どんな現場で使われているのか?
世界に知られる建機メーカー、小松製作所。なかでも特徴的なのが、他に類を見ない水陸両用ブルドーザーだ。全国にわずか5台、どのような現場で活躍しているのか?
ラジコン操縦、類なき建機

建設機械には世界的に有名なメーカーというものが幾つかある。
その中でも小松製作所による「Komatsu(コマツ)」のブランドとなると、日本国内はもちろん世界的にもよく知られた存在である。
そしてそんなコマツには、世界的にもあまり例がない特別なモデルが存在している。それは、ラジオコントロールで操縦する水陸両用ブルドーザーである。そのブルドーザーのモデル名を「コマツD155W-1」と言う。
現在も稼働しているこのモデルが登場したのは、1976(昭和51)年のことである。
ちなみにコマツによる水陸両用ブルドーザーが最初に登場したのは、さらに時間をさかのぼった1968(昭和43)年のこと。
この年に起きた、富山県常願寺川河口の富山大橋橋脚沈下事故での応急災害工事で、その水深から既存の重機での対応が不可能だったことから、建設省(当時)からの要請を受けて急きょ製作したD125-18Bがルーツとされている。
最大作業可能水深3mのこのモデルは、世界初の水中掘削押土作業を、さらにそれらを無線による遠隔操縦で行ったという、まさにエポックメイキングな存在だった。
小松製作所による水陸両用ブルドーザーは、作業可能最大水深を7mにアップしたD125W-2をへて、1976年にはパワーアップ版とも言えるD155W-1へと進化、その後も地道な改良が加えられ現在に至っている。