労働災害を撲滅! コマツの建機「遠隔操作システム」が革新的なワケ
労働災害事故に至る危険性は昔と比べて大幅に減っている。しかし、作業内容によっては依然として危険度が高い現場があるのも事実だ。それを解決するのが「遠隔操作システム」だ。
背後で支える基盤技術
建機側のコントロール性能の正確さの進化。操作側のオペレーターフレンドリーなディテール。これらを結ぶ5Gによる高速通信。これだけでも最新スペックではあるのだが、実はこのシステムにはコアとなる基盤技術がある。
それはdocomo MECとMECダイレクトと呼ばれているクラウドプラットホームである。遠隔操作にまつわるデータは、すべてこのクラウドで管理され処理される。
一般にクラウドとはインターネット空間内のパブリックスペースに設けられるサーバーシステムだが、docomo MECはドコモのネットワーク内のみで完結するサーバーだ。サーバーの設置は使用者の最寄りの基地局により近い場所に任意で可能で、通信のスピードと安全性が確保されるというわけである。
単なるデータ通信ではなく、建機の操作という物理的な動きを伴う通信の場合、こうした安全性の確保は極めて重要になる。さらにこのシステムはMECダイレクトを併用するとサーバーとデータ機器との間をダイレクトに接続することが可能となるため、その安全性と確実性はさらに高まる。
加えて、インターネットからは切り離された独自ネットワークであるため、外部からのネットワーク内への侵入はほぼシャットアウトできる。すなわちセキュリティー面での信頼性も高いということだ。