企業と戦わなくなった労働者たち 現代における「ストライキ」の意義とは? 千歳相互観光バス終日運休に見る、権利意識の欠如

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4月25日、千歳相互観光バスがストライキを行い、全路線が終日運休した。現在における、ストライキの“意義”とは何なのか。

実施のメリット・デメリット

メリット・デメリット(画像:写真AC)
メリット・デメリット(画像:写真AC)

 労働者全体を見ると、労働組合の組織率は現在10%程度となっている。労働者のうち、なんらかの形で組合に入っている人は4人にひとり程度だ。

 これらを踏まえて、整理してみるとストライキのメリット、デメリットは次のようになる。

●メリット
・要求が通る可能性が強まる
・組合の存在意義が確認できる

●デメリット
・顧客に損失を与える可能性
・交渉が決裂することもある

 ストライキを行った場合、経営側が要求を呑む可能性は高くなる。しかし、市民からの反発も強い。電車やバスが運休したとき、

「労働者の権利だから当然」

と理解できない人が多数派になったことが、ストライキという「戦術」の有効性を失わせたといえるだろう。

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