初代カブの再来か? ホンダの「電動アシスト自転車」システムが凄い理由

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電動アシスト自転車の在り方に疑問を抱いていたホンダのエンジニアが立ち上げた電動アシスト自転車コネクテッドシステム。その革新性とは。

メーカーの“ドル箱”的存在

アプリ「SumaChari」を搭載したスマートフォン(画像:本田技研工業)
アプリ「SumaChari」を搭載したスマートフォン(画像:本田技研工業)

 電動アシスト自転車は、1993(平成5)年に発売されたヤマハPASをルーツに持つ。

 初期には車重が重い、バッテリーの持ちが悪い、アシスト量に違和感があるなどのさまざまな課題があった。

 しかし坂道の多い地域などでの使い勝手の良さもあってその普及は加速していった。現在は年間100万台前後をコンスタントに売り上げるという、まさに市民の足となっている。

 今や街中で見掛けるファミリータイプの自転車。いわゆるママチャリは電動アシストタイプが大半だといっても過言ではない。

 さらに1台当たりの販売金額が高価なこともあり、主要自転車メーカーにとってはまさに“ドル箱”となっている。現行モデルの基本性能も、30年前の初期モデルとは雲泥の差で進化している。

電動アシスト自転車の“弱点”

電動アシスト自転車(画像:写真AC)
電動アシスト自転車(画像:写真AC)

 しかし、そんな電動アシスト自転車にも“弱点”がないわけではなかった。そのなかでも以前からよくいわれていたのは

・市販モデルが同じ様なものばかりで魅力に欠ける
・カッコいいものは価格が高い
・自分好みのカスタム仕様が欲しい
・盗難が怖い

などだ。これらは特に、自転車を日々の通学や遊びに多用している中高生の間で顕著な意見だったといわれている。

 こうしたユーザー側の懸念と要求に対して、何とか応えることはできないものか――。

 以前から電動アシスト自転車の在り方に疑問を抱いていたホンダのエンジニアが立ち上がることとなる。

 ホンダといえば、その創業時の最初の商品は、自転車に後付けする小型エンジンだった。ホンダと自転車の間には、実は浅からぬ関係があった。

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