自転車「ヘルメット」努力義務化で注目も そもそも保有率ダダ下がりの現実、まずは専用道路の整備急げ
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自転車の活用推進に向けた動き
新しい年度を迎え、新たな通学・通勤先に向けて、自転車の利用を始めたり、利用を検討したりしている人も多いだろう。日本自転車産業振興協会によれば、年間で自転車の新車販売台数が一番多いのも4月である。
そしていま自転車には、その活用促進によって、さまざまな効果が期待されている。ここでは、自転車利用に関する過去からのさまざまなデータをひもとくことで、日本で自転車のおかれた現状を紹介したい。
近年のコロナ禍や環境問題の深刻化により、移動手段に自転車を活用することが見直されている。国土交通省は「自転車の活用促進に向けた有識者会議」を2020年から発足し、活用推進について検討している。
この背景には2017年から施行された、自転車活用促進法という、環境保護や健康増進の目的で自転車活用を進めるための法律がある。2023年度から自転車に乗る際にヘルメットの着用(努力義務)が法律で施行されたことが話題になっているが、これもその活用推進の動きと関連している。
コロナ禍でも自転車が積極活用されず
それでは実際にコロナ禍の期間に、通勤・通学に自転車が活用される機会は増えたのだろうか。
民間調査最大規模の全国消費者調査として、長年にわたる蓄積のあるJNNデータバンクのデータによれば、13歳以上で自転車を主要な通勤・通学の手段とする人の割合は、69歳までの全体(通勤・通学をしていない人を含む)の14%程度で、コロナ禍前の時期と比較してもほとんど増減が見られない。
むしろ、自転車の活用目的とは逆の、自家用車通勤を主要とする人がコロナ禍以前から増えており、2022年では29.3%と、次点の鉄道の18.6%をしのぐ、データ上最大の通勤・通学手段となっている。
これは主要な手段として聞いているので、鉄道の駅まで自転車に行く場合などを含めば、実際の利用者はもっと多いと想像される。しかし、徒歩やバイク、バスなど、他の手段の増減もほぼ見られないため、少なくとも特に自転車が積極的に活用されるようになったとはいいがたいのが現状だ。