自転車「ヘルメット」努力義務化で注目も そもそも保有率ダダ下がりの現実、まずは専用道路の整備急げ
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自転車利用に関する過去からのさまざまなデータをひもとくことで、日本で自転車のおかれた現状を紹介する。
自転車保有がブームになった1970年代
ここで日本での自転車普及について、さらに昔にさかのぼって見てみると、図のように1960年代と1970年代の時期に大きな増加が見られていた。
特に1970年代は当時の自動車普及による公害や交通事故の急増を背景に、自転車の利用によって、こうした環境破壊に抵抗する「バイコロジー」と呼ばれる運動が高まり、一家で自転車を持つことが社会的にブームとなった(1972年11月2日付『朝日新聞』)。
当時のマンガ「サザエさん」でも一家が「バイコロジー」を名乗ってサイクリングに出掛ける様子が描かれる(2010年6月5日付『朝日新聞』)など、自転車が子どもから乗れる身近な存在になると同時に、自転車を通して環境を守るという考えが広がったことは、いまでも注目に値するところだろう。
専用道路整備も重要
自転車の活用推進には、利用者への対策だけではなく、専用道路などの環境整備も重要である。
ヨーロッパでは専用道路の整備が積極的に進められ、デンマークでは「スーパーハイウェイ」という、より高速で遠くに移動できる道路の整備がなされている。
現状の道路事情が複雑で、雨のシーズンが多い日本では、高架下や地下に専用道路を新たに整備して、雨の日などでも安全で快適に自転車に乗れるような大胆な工夫をしないと、推進に立ちはだかる目の前の坂を乗り越えることはなかなか難しいかもしれない。