自転車「ヘルメット」努力義務化で注目も そもそも保有率ダダ下がりの現実、まずは専用道路の整備急げ

キーワード :
自転車利用に関する過去からのさまざまなデータをひもとくことで、日本で自転車のおかれた現状を紹介する。

活用推進のカギは何か

女性の自転車保有率(電動アシストを含む)の推移。縦軸は%、横軸は年。JNNデータバンク全国定例調査 各年11月調査より( 画像: JNNデータバンク運営委員会)
女性の自転車保有率(電動アシストを含む)の推移。縦軸は%、横軸は年。JNNデータバンク全国定例調査 各年11月調査より( 画像: JNNデータバンク運営委員会)

 その一方で、「ママチャリ」という言葉に見られるように、これまで女性にとっての自転車は、

「生活のための道具」

という意味合いが強い印象があり、女性が独自に追求するスタイルやファッションなどと両立するものであったかといえば、疑わしいところがある。

 現状で自転車に乗ることが女性にとっていかなる魅力を持ち得るのかについて、いま一度積極的に考える必要があるかもしれない。

 また、自転車の活用推進が健康増進を目的としているのを考えると、60代女性での自転車を持つ割合の大きな減少は深刻なものにうつる。コロナ禍によって外出する機会が減少したこともあるが、転倒などの危険から、家族が自転車に乗せたがらないといったケースも見られるので、高齢者が安全に乗りやすい自転車や環境の整備なども活用推進のカギとなるだろう。

 また通勤手段では、60代全体で自動車を主要な通勤手段とする割合も増えており、近年高齢者の自動車運転のリスクがたびたび指摘されることも考え合わせると、この点でも高齢者の自転車活用促進の可能性を考える意義は大きいといえるだろう。

全てのコメントを見る