「転売ヤー」を撲滅できる? オフピーク定期券で注目の“変動価格制” 消費者にもたらす3つの大メリットとは

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JR東日本がオフピーク定期券の販売を開始した。昨今、ダイナミックプライシングはさまざまな領域で導入されるようになったが、認知度はまだ高くない。消費者にはどのようなメリットがあるのか。

値付けはビジネスの成否を分ける

Suica(画像:JR東日本)
Suica(画像:JR東日本)

 JR東日本が3月、ICカード乗車券「Suica」を利用したオフピーク定期券の販売を特定区間内で開始した。同券は、平日朝のピーク時間帯以外で定期券として利用できる。

 昨今、ダイナミックプライシング(変動価格制)はさまざまな領域で導入されるようになったとはいえ、まだまだ認知度は高くない。そもそも価格変動制の必要性がわからない、と感じている人も多いのではないだろうか。

 しかし、

「公平な社会にこそ」

ダイナミックプライシングが必要だという意見もある。なぜ、そういえるのだろう。

「値付け」はビジネスの最も重要なもののひとつだ。価格設定は、

・販売量
・収益
・利益率
・市場シェア
・顧客の認識

など、ビジネスのさまざまな面に影響を及ぼす。適切な価格はビジネスの成長と成功に、間違った価格は失敗につながる可能性があるのだ。

 しかし、実際のところ値付けに明確な根拠がないケースもめずらしくない。商品の原価や仕入れ値に応じた値付けは根拠を示しやすいが、実際に手に取ることのできないサービスは人の

「経験と勘」

によることも少なくなかったのである。

 そうしたなか、注目されているのがダイナミックプライシングだ。ダイナミックプライシングは、需要と供給に応じて価格を変動させて利益の効率化を図る。需給状況に応じて価格を変動させるのは大変に思えるが、最近は人工知能(AI)を活用したツールの登場でプロセスの大部分を自動化できるようになった。

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