「転売ヤー」を撲滅できる? オフピーク定期券で注目の“変動価格制” 消費者にもたらす3つの大メリットとは

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JR東日本がオフピーク定期券の販売を開始した。昨今、ダイナミックプライシングはさまざまな領域で導入されるようになったが、認知度はまだ高くない。消費者にはどのようなメリットがあるのか。

JR東日本が導入した背景

オフピーク定期券の仕組み(画像:JR東日本)
オフピーク定期券の仕組み(画像:JR東日本)

 ダイナミックプライシングの考え方が登場したのは、1970年代のことだ。1980年代後半のアメリカでは、人の手によるダイナミックプライシングが行われはじめた。

 日本でダイナミックプライシングが取り入れられはじめたのは2019年頃からで、同年の大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパンによる導入は話題となった。2021年3月には、東京ディズニーランド、東京ディズニーシーも導入している。

 もともと値付けの効率化が目的だったが、コロナ禍を経て、混雑の緩和や生活変容への対応などの社会的課題への対策としても取り入れられはじめた。

 JR東日本のオフピーク定期券もそうした取り組みのひとつだ。JR東日本はこの施策の一番の目的を

「コスト削減」

だとしている。

 これまで鉄道事業者は、ラッシュ時間帯は各社が車両や改札を増やすことで対応してきた。ピーク時間帯の利用客を減らすことで車両や改札の数、それにかかるメンテナンスコストを減らすことができるという。

 新型コロナウイルスの感染拡大がはじまって3年目。コロナ禍で鉄道事業者の利用者は大幅に落ち込み、赤字に苦しむ企業も出ている。一方、この3年で私たちの働き方やライフスタイルは変化した。鉄道の場合は、コロナが終息しても利用者が元に戻ることはないとの見方もある。

 収益改善を図る手段のひとつとして、ダイナミックプライシングの導入を検討する動きが出ているのだ。

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