日本と大違い! 英国でヘルメット「努力義務化」の声が上がらないワケ そもそも閣僚が反対、専用レーン整備が先決か
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4月1日から、自転車でのヘルメット着用が努力義務化された。いまだ着用は少数派だが、英国ではどうなのか。比較する。
ヘルメット着用によるネガティブ効果

次に車のドライバー側に焦点をあててみたい。「ヘルメット着用により誤った安心感が植え付けられてしまう」という、英国バース大学の交通心理学者イアン・ウォーカー博士による2006年の研究が、今も議論の中心にある。
車のドライバーには、
「ヘルメットを付けるようなサイクリストは、経験豊富で予想外の動きをしない」
という先入観があり、衝突の危険度が高まる傾向にあるという。
博士自身が距離センサーを付けた自転車に乗り、車のドライバー2500人に追い越されるときにどれくらい距離を空けられたのかを計測した。半分はヘルメットを着け、半分は着用しないで、その違いを比べた
ヘルメット着用時には、ヘルメット無しに比べ、平均8.5cm車が近くを通過していた。車は乗用車よりも大型トラックやバスの方がより近づく傾向にあった。博士は、2500回のうち2度車にぶつけられたのだが、どちらもヘルメット着用時だったという。(2006年9月13日付『タイムズ・ハイヤー・エデュケーション』)。
なお実験では、ウィッグで長い髪をなびかせたときは女性とみなされ、より距離を取られたことも確認された。
これらの実験結果は、「リスク補償行動」で説明できる。人は環境が整い、安全度が高まると、
「危険な行動を取って安全を相殺してしまう」
ことがよく起こる。
サイクリスト自身も、ヘルメットを着用することで過信し、リスクを冒しやすくなる傾向があることもよく議論にのぼるテーマである。