幕張豊砂&高輪ゲートウェイ なぜ鉄道「新駅誕生」は歓迎すべきことなのか? モータリゼーション衰退で見える郊外開発の終焉

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近年、国内においてさまざまな路線で新線・新駅の開発や既存路線の延伸、他路線への接続などが活発になっている。その背景を見ていこう。

幕張豊砂駅設置の経緯

幕張豊砂駅の位置(画像:(C)Google)
幕張豊砂駅の位置(画像:(C)Google)

 2023年3月18日にJR京葉線の新習志野~海浜幕張に開業した幕張豊砂駅は、

・千葉県
・千葉市
・習志野市
・イオンモール

の4者からなる幕張新都心拡大新駅設置調査会がJR東日本に新駅設置を要請した請願駅だ。

 もともと、大型イベント会場の幕張メッセや千葉マリンスタジアム(現・ZOZOマリンスタジアム)の利用者による海浜幕張駅の混雑に対し、1991(平成3)年から千葉県が要請を出していたが、バブル崩壊による景気後退などにより、長く塩漬け状態になっていた。

 しかし、イオンモール幕張新都心が2013年に開業したことで新駅構想が復活。新駅開業を受けて、駅前にはJR東日本ホテルメッツ幕張豊砂が開業を控え、駅と直結するイオンモール幕張新都心では約120店舗がリニューアル予定だ。

うめきたエリアの今後

うめきたプロジェクト(画像:大阪市)
うめきたプロジェクト(画像:大阪市)

 同じく3月18日に大阪駅に新しく大阪駅(うめきたエリア)が開業した。大阪駅西側に位置し、新駅になると思われたが、大阪駅の新エリアとして開業することになった。

 駅の地下ホームにはJRおおさか東線が乗り入れるほか、これまで大阪駅に乗り入れがなかった関空特急はるかや和歌山方面行き特急くろしおが停車し、関西国際空港までの所要時間が大幅に短縮する。

 大阪駅は2013年に開業したグランフロント大阪を皮切りにうめきたプロジェクトがスタートしている。その第2弾として、2024年夏にグラングリーン大阪が先行まちびらきを行う。うめきた地区とは、旧梅田貨物駅にあたる約24haの区域で、全体開業は2027年の予定である。これらのほかにも全国には新駅の開発が数多く予定されている。

 新駅の開発は特に首都圏や大阪など大都市圏(大都市 + ベッドタウン)での開発が多い。新駅が開発される理由は立地によって異なるが、東京や大阪の都心部においては都市開発プロジェクトの活発化が影響している。

 特に東京都心においては東京オリンピック・パラリンピックを契機に、都市構造が変化するほどの大型プロジェクトが各地で推進された。高輪ゲートウェイ駅、虎ノ門ヒルズ駅は東京オリンピック・パラリンピックを念頭に、開催が予定されていた2020年にあわせて開業している。

 現在、アジア圏も含めて世界規模で都市間競合が激化しており、首都としての国際競争力を高め、世界中の人や投資を呼び込むためにも都心のさまざまな場所で新たな都市開発が推進されている。

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