疑問だらけの東京「臨海地下鉄」 成功するには「公設民営」上下分離の整備しかない!

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東京都は、都心と臨海部を結ぶ約6kmの地下鉄新線の事業化に着手する考えだ。起点は首都の玄関口である東京駅とし、銀座や築地、豊洲などを経由して、有明まで全7駅を設け、2040年代前半の開業を見込んでいる。

地下鉄の建設計画の概要

「臨海地下鉄」新線のルート(画像:Merkmal編集部)
「臨海地下鉄」新線のルート(画像:Merkmal編集部)

 東京都は11月25日、東京駅付近から臨海部の晴海・有明エリアを結ぶ地下鉄新線の計画案を発表した。長さは約6kmである。この地下鉄新線が開業することで、最も便益を得られるのが晴海エリア(中央区)である。都心部と臨海部の晴海エリアを結ぶ鉄道の計画は、戦前からあったが、計画されては消えるの歴史を繰り返して来た。

 起点の東京駅は既存の東京駅の北東側に建設され、約1kmごとに

・新銀座
・新築地
・勝どき
・晴海
・豊洲市場
・有明・東京ビッグサイト(いずれも仮称)

の各駅を設ける計画だ。東京駅が起点となれば、新幹線や山手線、京浜東北線、京葉線、東京メトロなどの広域鉄道網との乗り継ぎが容易になる。

 東京駅を出発した地下鉄は、日本有数の商業地である銀座や、旧築地市場跡地の再開発を控える築地を通る。そして東京2020オリンピック・パラリンピックの選手村の跡地を利用した晴海フラッグも整備されるなど、人口の増加が著しい勝どき、や晴海、国内最大規模の卸売市場がある豊洲、東京ビッグサイトを抱える有明を結ぶ。

 また臨海部には、羽田空港と都心を結ぶJR東日本の「羽田空港アクセス線」の一部が通る計画があり、東京都は将来的に地下鉄新線と羽田空港アクセス線を接続させ、羽田空港へのアクセス手段をより充実させたい考えだ。

 臨海部への地下鉄の新線の事業化は、2021年7月に行われた国土交通省の交通政策審議会で

「つくばエクスプレスとの接続も含め、事業化に向けて検討の深度化を図るべき」

という、答申があったことで具体化した。

 一時期は、晴海エリアに路面電車を敷設する考えも出たが、同年の9月には、東京都が有識者で構成する「都心部・臨海地域地下鉄構想事業計画検討会」を設置。3回の会合を開き、検討が進められていた。

 コロナ禍で延期になっていた東京2020オリンピック・パラリンピックが2021年夏、無事に終わった。そこで東京都は、2022年3月に競技会場や選手村などが整備された臨海部について、東京五輪やパラリンピックで使用された選手村などを生かした街づくりを行うことにした。そのほか、温室効果ガスを排出しない水素エネルギーの活用や「空飛ぶクルマ」、燃料電池で動く船など、最先端技術の開発拠点とする計画を策定した。

 地下鉄新線の敷設は、計画実現に向けたインフラ整備の一環である。東京都は、貿易港としての晴海を「国際的な玄関口」として整備し、都心への利便性を図る。世界から人と投資を呼び込み、臨海部を東京と日本の成長を先導する地域に発展させる狙いがあるのだ。

 地下鉄新線の建設費は、約5000億円と莫大(ばくだい)な金額である。東京都は2030年頃の着工を予定しており、2040年頃には開業させたいとしている。そして、開業後30年以内の黒字化を見込んでいるという。

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