山形県の田舎町に「EV・自動運転」専門大学が誕生 一体なぜこんな場所に? ニーズの深淵をのぞいてみた
2023年春、山形県の飯豊町に誕生する新設校「電動モビリティシステム専門職大学」。電気自動車や自動運転の技術開発者を輩出するための教育機関はなぜ今開校するのか。
EVが実は排出しているCO2とは?

対策として国土交通省は、働き方改革による労働環境の改善や、女性や外国人の整備士を積極的に採用することなどを打ち出してはいるものの、現状はいまひとつ変わっていないようにも感じる。
ゆえに、今後電気自動車が普及することを前提として整備士を育成するのであれば、当然ながら、構造が複雑で難しい電気自動車でも難なく対応できる人材が望ましいだろう。
さらに、電気自動車は走行時におけるCO2排出量はゼロだが、製造時における排出量は少なくない。より掘り下げると、バッテリーの原料となるレアメタルなどを含めた鉱物は、資源素材の採掘・製錬が必要になるため、環境破壊につながってしまう。
電気自動車に必要な電力も、太陽光や風力などの自然の再生エネルギーに頼るのであれば環境保全につながるが、石炭などの化石燃料を燃やして作られる電力に頼ってしまうようでは、CO2排出量ゼロにはならない。
こうした問題点を解決するためにも、優れた技術開発者を育成する必要があるのだ。