「脱中国」図る企業に突き付けられた現実! 代替国確保という難題、有力候補“インド”に潜む大きなリスクとは
米中対立や緊張が続く台湾情勢を受け、自動車メーカーなどモビリティ企業の間では「脱中国」を巡る動きが拡大しているが、その際の課題を解説する。
注目浴びるインドにも懸念

また、代替国への不安もある。今日、高まる地政学リスクへの対処として、脱中国を図る日本企業は、代替国としてベトナムやタイ、インドネシアなどの東南アジア諸国連合(ASEAN)の国々、またインドなどを候補として挙げている。
特に、政治リスクだけでなく、少子高齢化や賃金アップなど多くの問題が浮上している中国と比べ、インドは若年層の人口が多く、これから発展が期待される「新興大国」と言えよう。
日中関係にあるような不安要素が日印関係にはなく、経済安全保障の観点からも、インドには懸念材料は少ないはずだ。
しかし、脱中国を図っている企業は企業で、新たな不安を抱いている。新たな不安とは、
「代替国でこれまで通りの収益を安定的に得られるか」
「中国にはない別のリスクがある」
といった声で、法務リスクや労務リスク、災害リスク、政治リスクなど多方面に及んでいる。
例えば、筆者が専門とする地政学リスクについて言えば、中国からインドへシフトする動きが見られるなか、インドには宗教対立やデモ、テロといったフィジカルセキュリティーに関わるリスクは、中国より現実的だと思われる。