JAL「タイムセール」のサーバーダウンに見る、ネット依存社会の現実 今こそ問われる航空会社の自律的経営とは

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3月9日、JALの国内線航空券割引セール「JALスマイルキャンペーン」に申し込みが殺到し、ウェブサイトがパンクした。インターネットに過度に依存する社会について考える。

筆者もトラブル当事者

飛行機(画像:写真AC)
飛行機(画像:写真AC)

 3月9日、JALの国内線航空券割引セール「JALスマイルキャンペーン」(国内線全路線6600円)に申し込みが殺到し、ウェブサイトがパンク。予約業務など、本来の航空関連業務に支障をきたす事態が発生した。われわれは、この事態をどう捉えるべきであろうか。

 インターネット化は今やすべての社会領域において進んでいる。筆者(戸崎肇、経済学者)はコロナ禍の収束を受け、まさに3月9日を含む期間、海外に出張していた。そして帰国時の羽田空港で、入国審査も税関検査もスマートフォンなどを介した事前申告が行われていることを初めて知り、驚いた。

 出発時、ラウンジでの料理の注文もスマートフォンを通じて注文した。筆者のような時代錯誤の人間でもスマートフォンを持っているので何とかなったものの、もし持っていなければ何もできない世の中だと痛感した。

 ただ、今回のトラブルは、スマートフォンをはじめ

「インターネットに過度に依存する」

ことの怖さを再認識する機会となったのではないか。

 なお、筆者も実被害を受けたひとりだ。海外の出張先から帰国便を変更するためにJALのウェブサイトにアクセスしてみたが、何度試しても接続できなかった。宿泊しているホテルのインターネット環境が悪かったこともあり、そのときはこちらのせいだと焦っていた。

 しかし、トラブルに関するニュースを読み、ようやくこちらのせいではないと理解した。ほっとしたものの、今度はどうすればいいのか途方に暮れることになった。

 今回、筆者と同様の経験をした人は少なくなかっただろう。まさに、航空会社の

「本業」

に差し支えが生じたのである。

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