高齢者を送迎する「介護ドライバー」 就職簡単でも今どき重宝されるワケ

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高齢者施設と、施設利用者の自宅との送迎をメインに務める「介護ドライバー」の需要が高まっている。その背景と将来性について解説する。

介護の現場だからこそ注意すべきポイント

車イスを乗せる福祉車両(画像:写真AC)
車イスを乗せる福祉車両(画像:写真AC)

 先ほど、「介護ドライバーは自動車第一運転免許を所持していれば誰でもなれる」と説明したが、手軽に始められる仕事とはいえ、人の命を預かる職種であることに変わりはない。そのため、送迎するにあたり、細心の注意を払いながら運転する必要がある。

 事故などのリスクを避けた安全運転を心がけるのはもちろんだが、送迎する利用者に対して常に配慮しなければならない。一般的に介護送迎車は、車いすに乗った利用者をそのまま車内に載せることが多く、車いすを車内で固定することが必須だ。

 仮にしっかり固定せず、そのまま安全確認を怠ってしまうと、重大な事故につながってしまう。そういったケースを防ぐためにも、福祉車両の扱い方を理解しておく必要がある。

 さらに、「到着予定時間を厳守できる自宅へのルートをあらかじめ把握しておく」「揺れを極力抑えた運転や車内空調管理を行う」など、利用者への気遣いを常日頃から心がけておかなければならない。

 加えて一部の介護施設では、介護職員が同乗しない場合もあるほか、介護職員自体が不在のところもある。そのため、募集要項において「介護・福祉の資格」もしくは「介護職員初任者研修」を求めている施設もあり、利用者の介護を兼務することもある。

 介護ドライバーはミドル・シニア世代にとって「就職のハードル」は低いものの、軽い気持ちでできる仕事ではないことを知っておくべきだろう。

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