高齢者を送迎する「介護ドライバー」 就職簡単でも今どき重宝されるワケ

キーワード :
, , ,
高齢者施設と、施設利用者の自宅との送迎をメインに務める「介護ドライバー」の需要が高まっている。その背景と将来性について解説する。

需要はさらに増加

介護施設の多目的ルーム(画像:写真AC)
介護施設の多目的ルーム(画像:写真AC)

 少子高齢化が進行していることもあって、高齢者施設は増加傾向にある。厚生労働省は、2022年11月現在で要介護(要支援)認定者数が約698万人に上ると報告した。また2025年には団塊の世代が全員75歳以上となる状況を踏まえて、介護人材の確保が早急に望まれるという見解を示している。

 であれば当然、介護士の需要増加に伴って介護ドライバーの需要もさらに増えると見込めるだろう。しかし、介護業界全体で人材不足が深刻化しているため、「介護ドライバーも欲しいが、介護・福祉の資格を持っているドライバーであれば、さらにありがたい」というのが正直なところではある。

 とはいえ、「第一種運転免許しか持っていないうえに、介護福祉士の受験資格もない」という人でも取得できる資格はある。一部を紹介すると、高齢者の介助をする時の心構えや知識・技術を身につけている「サービス介助士」や、高齢者や障害者に対する接客サービスのノウハウを理解している「ハートフルアドバイザー研修」などが挙げられる。

 少子高齢化は、長年叫ばれ続けている日本の根の深い問題だ。介護ドライバーをはじめとした介護人材の需要は現在でも高く、人材を募集する高齢者施設も多い。

 当然需要が高まるほどミドル・シニア世代による働き手も増えてくるだろうが、「単なる運転手」という考え方や「楽で小銭稼ぎに向いている仕事」といった認識を持っていないか、介護ドライバーを採用する上で見定めていく必要がありそうだ。

全てのコメントを見る