アクセル踏み間違い事故、じつは高齢者より「若者」が多かった? 重大事故を回避する分かれ目とは何か

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高齢ドライバーによる交通事故というと、アクセルとブレーキの踏み間違いによるものを思い浮かべる人が多いだろう。しかしこの踏み間違い事故は、決して高齢者特有のものではない。

死亡・重傷事故は高齢者が多いが

アクセルとブレーキの踏み間違い事故のイメージ(画像:写真AC)
アクセルとブレーキの踏み間違い事故のイメージ(画像:写真AC)

 高齢ドライバーが関わった事故が報道されると、その原因として挙げられるのは多くがブレーキとアクセルを踏み間違い。

 減速もしくは停止するつもりが意に反して加速してしまったがゆえの事故というものである。

 確かにこのことは実際に現場検証および取り調べの過程で確認された事実ではあるのだが、果たしてペダルの踏み間違いは高齢ドライバーだけの問題なのか? ここに興味深いデータがある。

 交通事故総合分析センター(ITARDA)がまとめたデータによると、2018年から2020年までの3年間に起こったペダルの踏み間違い事故の総数は約1万件。

 この数字が多いか少ないかは別として、興味深いのはその内容である。

 1万件中、死亡・重傷事故を抜き出すと、車両単独、車両相互、人対車両のいずれにおいても65歳以上の数字が突出する。特に75歳以上になると、その数は他の年齢層をまさに圧倒している。

 やはり、高齢ドライバーがペダルを踏み間違いがちだというのは、紛れもない事実だったということである。

 しかしこの数字、対象を死亡・重傷事故から軽傷も含めた死傷事故に変えると、特に車両相互では、年齢間の差が急激に少なくなる。そして何と一番多かったのは、24歳以下のドライバーだったのである。

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