「免許なければどこにも行けない」 伸び悩む免許返納、高齢者バッシングの裏にある非情な現実を見よ
高齢ドライバーの運転免許自主返納への関心が高まっているが、返納率はやや頭打ちの感もある。免許返納にまつわるあれこれと、高齢ドライバーの事故防止に向けての取り組みなどを紹介する。
自主返納率は頭打ち

近年、高齢ドライバーの運転免許自主返納への関心が高まっている。高齢者の運転操作ミスによって引き起こされた痛ましい事故は社会問題にもなり、そうした悲劇をなくすための方策として、免許返納が注目されているのだ。
免許返納とはつまり、「車の運転をしない」ということであり、車の運転という利便性を手放す代わりに、いくつかのメリットがある。例えば、「自身の運転による事故リスクがゼロになる」「車の維持費がかからない」「免許返納時に作成できる(正確には返納後5年以内)運転経歴証明書を提示することで、各種の割引・補助金などのサポートを受けられるようになる(各施設や自治体による)」などが挙げられる。
こうしたメリットが少しずつ知られるようになってきたとはいえ、免許返納は思うように進んでいないのが現状である。この記事では免許返納にまつわるあれこれと、高齢ドライバーの事故防止に向けての取り組みなどを紹介したい。