日本の約2倍! ロンドンで交通「スマホ決済」が広がり続ける、身もふたもない現実
イギリスのロンドンで、乗り物だけでなく、買い物などでもモバイルIC決済が広がり続けている。その背景を探る。
日本のモバイルIC決済利用率
2023年3月18日から、「モバイルSuica」と「モバイルPASMO」で中高生の通学定期券が利用できるようになるなど、モバイル(スマートフォン)IC決済の利用範囲が日本でも広がっている。
日本の公共交通機関におけるモバイルIC決済の利用率について、調査会社のスパコロが首都圏在住者を対象に実施した調査では、回答者の13.4%がモバイルIC決済で乗車していた(2021年6月29日付同社リリース)。
この調査では79.1%が通常のICカードを使っていると回答したので、全コンタクトレス(非接触型)決済の14.5%がモバイルIC決済という計算になる。
2022年3月の国土交通省による調査でも、普段利用しているチケットの種類として、「モバイルSuica・PASMO、おサイフケータイ」での鉄道利用が17.2%、バス利用が13.0%とあり、スパコロの調査と大きな違いはない。
イギリスのロンドンでは、専用の交通ICカードであるオイスターカードに加え、銀行カード(デビットカード、クレジットカード)によるコンタクトレス決済が改札で利用できるようになったのが2012年のこと。このときはバスのみだったが、2014年に地下鉄や鉄道で使えるようになり、同年にモバイルICも利用可能となった。
アメリカやオーストラリアなども手本にしたという、公共交通機関におけるコンタクトレス決済先駆者の現状はどうなっているのか。ロンドンの現状を見ていこう。