日本の約2倍! ロンドンで交通「スマホ決済」が広がり続ける、身もふたもない現実

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イギリスのロンドンで、乗り物だけでなく、買い物などでもモバイルIC決済が広がり続けている。その背景を探る。

店舗での決済もモバイルIC増加

ロンドンの地下鉄(画像:写真AC)
ロンドンの地下鉄(画像:写真AC)

 ロンドンの公共交通におけるコンタクトレス決済、特にモバイルIC決済の普及には、普段の決済方法が大きな影響を与えていそうだ。改札のコンタクトレス決済が始まったことは、英国内全体の決済に大きな影響を与えたと見られているので、鶏が先か卵が先か状態だが、広くコンタクトレス決済の普及状況を見たい。

 英国の銀行および金融サービスセクターの業界団体である「UK Finance」によれば、イギリスに暮らす人々の86%が月1回以上、コンタクトレス決済を利用している。これは若年層に限らず、65歳以上の人々の78%も利用している(『UK Payment Markets Summary 2022』)。

 また成人の32%が少なくともひとつのモバイルIC決済(Apple PayやGoogle Payなど)を登録済みである。年齢別にみると16歳から24歳の60%もの人々が登録している。上の世代にいくほどその率は下がり、65歳以上では12%になる。しかし、上の世代も若者に倣って今後登録していくことが予想されると同リポートに記載されている。

 別の調査では、もっとモバイルIC決済の普及率が高い。

 フィンテック企業である「Marqeta」がイギリスの1000人に調査したところ、77%がモバイルIC決済を利用したことがあると回答した(2022年5月26日同社リリース)。

 モバイルIC決済に対する信頼度は高く、61%もの人が、「家に財布を置いて、スマートフォンだけで出かけても心配しない」と答えている。とくにZ世代(18~24歳)の場合は、77%がそのような回答をしている。

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