日本の約2倍! ロンドンで交通「スマホ決済」が広がり続ける、身もふたもない現実
イギリスのロンドンで、乗り物だけでなく、買い物などでもモバイルIC決済が広がり続けている。その背景を探る。
ロンドン地下鉄でモバイルIC決済増加中
ロンドン交通局によると、2022年夏の調査では、成人による都度払いの地下鉄利用約25%が、モバイルIC決済によるものだった。改札に入るとき、スマホやスマートウオッチのウォレットを使う人がパンデミック以前より増えたのだという。モバイルIC決済は、コンタクトレス決済の約35%にも上る。
ロンドンの地下鉄を利用するには、紙の切符か、専用交通ICカードのオイスターカードか、モバイルICなどのコンタクトレス決済になる。ただ、紙の切符は割高なので、市民には一般的ではない。
オイスターカードは、日本の交通ICカードと違って乗車券利用のみで、街で買い物はできない。プリペイド式であり、券売機やオンラインでチャージする。子どもや老人の割引にも対応し、定期券が付けられるが、日本のように定期券の割引率が高くない。もし週5日の外出ならば元は取れず、都度払い(1日の上限あり)の方が安くつく。
コンタクトレス決済では、モバイルIC決済や銀行のデビットカード、クレジットカードを使うので、交通のためのチャージが不要になる。利用登録すれば乗車履歴なども記録できるので、都度払いであればオイスターカードに比べ不便はない。
ロンドンの地下鉄、バス、鉄道等の都度払いでは、コンタクトレス決済が71%を占めるので主流と言える。リモートワークが中心で出勤は週数回という人が増え、これを利用する人がさらに増加したと考えられる。
なお、モバイルIC決済の増加は、アンドロイド対応のGoogle Payが、ロンドンの交通に使えることを地下鉄構内やアプリ上でプロモーションしたのも若干は影響しているだろう。