ピーチはなぜ成田「国内線」を半減させるのか? LCCビジネスの“業”に振り回される地方空港の悲哀
- キーワード :
- 飛行機, LCC, ピーチ・アビエーション
LCCのピーチ・アビエーションが、3月26日からの夏ダイヤでこれまで最大12路線あった成田空港の国内線をほぼ半分の7路線に減らす。吉と出るか凶と出るか。
国内線最大12路線から7路線へ
格安航空会社(LCC)のピーチ・アビエーション(以下、ピーチ)が、2023年3月26日からの夏ダイヤで、これまで最大12路線あった成田空港の国内線をほぼ半分の7路線に減らす。
その一方、新型コロナの影響で2022年5月までの一時期、運航路線ゼロだった国際線の再開や新規就航を進める。
新型コロナ禍を経て、国内旅行の「全国旅行支援」もあって国内線の需要は確実に増えている。しかし、円安による訪日外国人の需要はさらに大きく、今後しばらく続くと予想される。
ピーチは、現在運航する機材を国内線から国際線に回し、インバウンドに注力する形だが、もともと発着数が少ない地方空港にとっては大きな痛手だ。
人気路線と減便・運休路線の「差」は
ピーチの国内線における、成田発着路線は次の通りだ。
●2023年3月25日まで
東京(成田) = 札幌(新千歳)、女満別、釧路、大阪(関西)、福岡、長崎、大分、奄美、沖縄(那覇)、石垣
●2023年3月26日から
東京(成田) = 札幌(新千歳)、大阪(関西)、福岡、大分、奄美、沖縄(那覇)、石垣
2023年夏ダイヤで路線がなくなったのは、北海道の女満別と釧路、九州の長崎の各路線。これに加え、鹿児島線と宮崎線はすでに運休している。大分線も、これまでの定期運航から繁忙期などのみの期間限定運航となる。
札幌や大阪、福岡といった都市部を結ぶ基幹路線は、もともとニーズが高い。そして、奄美、那覇、石垣の3路線は、夏は繁忙期でもあるため、高いレジャー需要が見込まれる。大分は別府温泉などが国内旅行先として人気が高いが、繁忙期以外の搭乗率は厳しく、期間限定の運航になったと考えられる。