ピーチはなぜ成田「国内線」を半減させるのか? LCCビジネスの“業”に振り回される地方空港の悲哀

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LCCのピーチ・アビエーションが、3月26日からの夏ダイヤでこれまで最大12路線あった成田空港の国内線をほぼ半分の7路線に減らす。吉と出るか凶と出るか。

LCCビジネスにおける難しさ

成田空港に着陸するピーチ(画像:シカマアキ)
成田空港に着陸するピーチ(画像:シカマアキ)

 ピーチが運休を発表した地方空港と周辺自治体にとって、夏ダイヤからの運休や減便は痛手となるのは間違いない。

 特に北海道は、夏は涼しく国内の避暑地としても人気だ。成田発着の女満別や釧路などは、ジェットスターも就航していない。直行便だと運賃が高い大手航空会社しかない場合、旅行客にとって予算的に厳しくなり、行きづらい場所となる。

 LCCは一般的に

「搭乗率8割」

が採算ラインとされる。繁忙期は座席が埋まっても、その他の時期にいかに座席を埋めるかがカギとなる。LCCはレジャー目的の旅行客が中心とはいえ、ビジネスや帰省などで利用する人も一定数がいる。そう考えると、人口規模が大きい都市部の路線は強い。

 また、首都圏から地方へ旅行するニーズが高くても、逆に地方から首都圏へ行く人が少なすぎると路線維持は難しい。その点、観光地が多い関西は地方にとっても魅力があり、実際、ピーチの大阪発着は成田発着より国内線路線は多い。

 ピーチはデビュー当初から、地方の就航先と連携し、それぞれの土地の魅力を発信するプロジェクトを積極的に行っている。

「ピーチが新たに就航したから、その就航先を初めて訪れることができた」

という旅行客も多い。

 LCCは大手航空会社以上に、路線の運休、増便や減便が目まぐるしく変わる。これがLCCビジネスだ――というのは簡単だが、地方にとっては頭が痛い問題だ。

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