ピーチはなぜ成田「国内線」を半減させるのか? LCCビジネスの“業”に振り回される地方空港の悲哀

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LCCのピーチ・アビエーションが、3月26日からの夏ダイヤでこれまで最大12路線あった成田空港の国内線をほぼ半分の7路線に減らす。吉と出るか凶と出るか。

成田発着路線で競合する他のLCC

ジェットスター・ジャパン(手前)とピーチ(画像:シカマアキ)
ジェットスター・ジャパン(手前)とピーチ(画像:シカマアキ)

 成田発着のLCCには、

・ジェットスター・ジャパン(ジェットスター)
・スプリング・ジャパン(スプリング・ジャパン、旧名 春秋航空日本)

がある。スプリング・ジャパンの国内線は、札幌(新千歳)、広島、佐賀の3路線で、ピーチとの競合は少ない。

 一方、ジェットスター・ジャパンの成田発着は13路線(2023年夏ダイヤ)ある。全路線が1日1往復以上の定期運航だ。ピーチが最近運休した路線も多い。東京(成田) =

・札幌(新千歳)
・大阪(関西)
・高松
・松山
・高知
・福岡
・大分
・長崎
・熊本
・宮崎
・鹿児島
・沖縄(那覇)
・宮古(下地島)

 日本では、2012年3月にピーチが、同年7月にジェットスターが就航。その後もLCCが登場したものの、現在は3社のみだ。デビュー当初の

「ピーチ = 関西、ジェットスター・ジャパン = 成田」

というイメージもいまだ根強い。

 ピーチは成田が拠点だったバニラエアを2019年に吸収合併したものの、成田ではジェットスターがグループ会社の国際線に加え、JAL国際線との乗り継ぎなども行い、幅広く事業展開する。

海外旅行好きの日本人の取り込みか

ピーチの国際線。現在は香港線も再開(画像:シカマアキ)
ピーチの国際線。現在は香港線も再開(画像:シカマアキ)

 ただそれ以上に、ピーチの国際線に注力する動きは今後を見据えてのことだろう。ピーチの国際線は2023年夏ダイヤ以降、次の通りだ(2023年2月末現在、就航予定含む)。

・東京(羽田)-ソウル(仁川)、台北(桃園)
・大阪(関西)-ソウル(仁川)、台北(桃園)、高雄、香港、バンコク(スワンナプーム)
・沖縄(那覇)-台北(桃園)
・名古屋(中部)-台北(桃園)

 大手航空会社の国際線は燃油サーチャージが高いうえ、高止まり気味の運賃にさらに上乗せされる。一方、ピーチは燃油サーチャージを徴収していない。海外旅行の旅費がコロナ前より上がっているため、海外旅行が好きな日本人も取り込める要素がある。

 特に首都圏では、成田ではなく羽田を発着する路線を運航する。いずれも深夜便だが、空港アクセスが便利なうえ、仕事終わりにそのまま出国し、帰国後そのまま出勤する「弾丸海外」のニーズも高い。

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