運送会社が今こそ強化すべき「営業力」 あなたは、理不尽な荷主に「お断りします」と言えるか?

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「なぜ運送会社に営業担当者が必要なのか」、端的に言えば「無理難題を強要する荷主から逃れるため」である。仕事を選べない運送会社は、不平不満と行政処分への恐怖を抱えながら今の仕事を続けるしかない。

営業担当者がいない運送会社がはまる袋小路

名刺交換のイメージ(画像:写真AC)
名刺交換のイメージ(画像:写真AC)

 筆者は、この話を2代目本人から聞いた。

「確かに当社にも非はあります。でも割に合わない仕事を続けることはできないですよ」と2代目は愚痴をこぼした。

「だとしたら自分で営業開拓を行い、『割の良い仕事』を探すしかないですよね?」という筆者の言葉に、2代目はこう返した。

「誰が営業開拓を行うんですか? 営業担当者なんていないですよ。そもそも営業担当者を雇う余裕なんて、今の当社にはありません」

「ならば社長自身が営業を行うしかないですよ」

「だから、私は協会関係や、物流関係の集まりにたくさん参加し、新たな仕事を見つけられないかと模索しているのですが」

「そういう場で出会う人って、運送会社や倉庫会社ばかりですよね。再び、2次請け、3次請けといった多重下請け構造の下位に甘んじて、不満をためるだけの結果になりませんか?」

 筆者の指摘に、2代目はうつむき、「じゃあどうすればいいんですか…」とつぶやいた。

 気持ちは分かる。2代目からすれば、どっちを向いても壁が立ちふさがっている、袋小路に追い込まれたような気分なのだろう。

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