運送会社が今こそ強化すべき「営業力」 あなたは、理不尽な荷主に「お断りします」と言えるか?
「なぜ運送会社に営業担当者が必要なのか」、端的に言えば「無理難題を強要する荷主から逃れるため」である。仕事を選べない運送会社は、不平不満と行政処分への恐怖を抱えながら今の仕事を続けるしかない。
荷主が外資に買われ、仕事失った運送会社
運送会社A社は、あるメーカーの専属運送会社だった。先代社長の頃から、そのメーカー以外の仕事は基本的に行っていなかった。
ある日、A社は仕事を切られた。2代目社長いわく、「メーカーが外資に身売りし、すべてが変わった」というが、本当のところは分からない。分からないが、事実としてA社の仕事はなくなってしまった。
先代社長の頃から、A社には営業担当者はいなかった。そもそも営業をしたことすらなかった。だから、突然仕事がなくなり、2代目は途方に暮れた。忠義を尽くして1社のクライアントに尽くすつもりだったから、他の仕事を探すなど、先代、2代目ともに考えたこともなかったのだ。
運送会社や倉庫会社における「営業」の大切さと課題について、具体的事例を交えて紹介した前回記事(2023年2月27日配信「運送会社の「営業担当」はなぜ成長しないのか? 背後に古びた業界構造 新規案件つぶされ、雑用要員も――という絶望」)に続いて、営業が必要な理由を詳しく解説する。