運送会社が今こそ強化すべき「営業力」 あなたは、理不尽な荷主に「お断りします」と言えるか?
下請けで仕事得るも、続かず

A社の2代目は困り果て、ある集まりで知り合った運送会社B社に救いを求めた。B社は中小企業ではあったが、運送業以外の子会社なども設け、人脈も広かったからである。
A社はB社の紹介で、運送会社C社の下請けとして働き始めた。B社がC社との間に入るから、A社は3次請けになる。
最初はおとなしく仕事をしていたA社だったが、そのうち不満を言い始めた。
まず、運賃である。当然、C社、B社が中抜きをした後の運賃だから、決して高くはない。次に感じた不満は、仕事の内容だった。C社の仕事は手積み手卸しであり、それまでパレット輸送しかしてこなかったA社のドライバーたちから「キツイ」「しんどい」という声が上がり始めたのだ。
A社の2代目は、B社、C社に不満を訴えた。
C社は「そうは言っても、うちのドライバーたちは、普通に、そしてずっとこの仕事を続けているわけだし…」と困惑した。
B社は中抜き金額を減らした。つまりA社への運賃をアップした上で、このように言った。
「そうは言っても、営業担当者がいないんだから、新たな仕事なんて見つけられないだろう? ドライバーたちにも会社の事情をあらためて説明して、もう少し頑張れよ」
しかし、2代目は我慢できなかった。
そこで、2代目は別の運送会社D社を連れてきて、自社の下請けとした。D社は4次請けになる。2代目は「しんどくて安い仕事なら、うちのドライバーにやらせずに他社に任せ、中抜きをすれば良い」と考えたのだ。
そして、自社のドライバーには、別のパレット積みパレット卸しの仕事をさせ始めた。「運賃は安いけど、C社の仕事で中抜きした分を合わせれば売り上げは増える」と2代目は考えたのだ。
「仕方ないか…」。最初はA社の選択を黙認したB社、C社だったが、やがて問題が発生した。D社が商品事故(※貨物を破損する事故)を連発したのだ。
D社に責任転嫁し続ける2代目の態度にあきれ、B社、C社はA社との縁を切った。